ED治療薬の勃起不全と肺高血圧症への応用

EDとは勃起不全症のことで、ED治療薬は国内では主に3種類の有効成分の薬が使用されています。その3種類とは、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィルです。これらは全て同じ作用機序を持っています。血管が拡張する際には、血管内に一酸化窒素量が増え、それによりグアニル酸シクラーゼと呼ばれる酵素が活性化します。それによってサイクリックGMPが盛んに作られるようになり、血管内でその量が多くなると、血管が拡張し、血流量が多くなります。男性の陰茎部には血管が豊富に通っており、その陰茎部にED治療薬の有効成分が作用すると、上記メカニズムで血流量が多くなり、陰茎部が風船のように膨らみ、なおかつ固くなります。このようにして勃起不全は改善されます。
一方で、ED治療薬の中で肺動脈性肺高血圧症に応用されるものもあります。肺動脈性肺高血圧症とは、末梢の肺動脈で血管狭窄が起こり、それにより肺動脈圧が高くなる疾患です。作用機序に関してはED治療と同様ですが、その血管拡張するターゲットが肺の末梢動脈となります。
シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィルはそれぞれ違う製造販売業者によって作られています。勃起不全ではシルデナフィルはバイアグラ、バルデナフィルはレビトラ、タダラフィルはシアリスという商品名でそれぞれ販売されています。また、肺動脈性肺高血圧症に関してはシルデナフィルがレバチオ、タダラフィルがアドシルカという名前で販売されていて、バルデナフィルはED治療薬としてのみ使用されています。
また、シルデナフィルとタダラフィルは適応症によって使用量が異なり、勃起不全ではシルデナフィルが1回25~50mg、タダラフィルが健常人で1回10~20mgですが、肺動脈性肺高血圧症の場合は、シルデナフィルが1回20mgを1日3回、タダラフィルは健常人には1回40mgを1日1回服用します。